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2020 年度 実施状況報告書

クロマチン構造解析による果実組織依存的な転写制御ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06011
研究機関東京農工大学

研究代表者

篠崎 良仁  東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (60841971)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード果実発達 / トマト / ATAC-Seq / レーザーマイクロダイセクション / RNA-Seq
研究実績の概要

果実はヒトの健康に寄与する様々な有用機能性成分の重要な供給源となっている.植物器官の中でも果実は多様性に富んだ複雑な構造を有しており,多くの有用成分の蓄積量は構成組織の種類や発達ステージによって異なる.しかし,果実において各組織固有の遺伝子発現を制御する機構の全容は明らかとなっていない.本研究では,果実における組織構造発達や有用物質蓄積性を制御する技術の開発につながる知見を得るため,発達中のトマト果実をモデルとしたクロマチン構造の組織間比較を行い,組織依存的な転写調節領域の網羅的同定を試みる.
本年度は,主要な果実内部組織の一つである胎座組織の発達が抑制された変異体などを利用し,発達初期の果実内外の組織別トランスクリプトーム解析を行った.その結果,内部組織では外部果皮組織と比べて細胞分裂に関連した遺伝子発現が非常に活発であることなど,内外組織の発達と関連した全遺伝子の転写発現様式が明らかとなった.また,組織別の転写発現とクロマチン構造との関係を明らかにするため,一般的なスクロース濃度勾配により胎座および果皮から抽出した核を用いてATAC-Seqによるオープンクロマチン領域の同定解析を行なった.しかし,得られたショートリードのマッピングデータはバックグラウンドノイズが高かった.本年度は取り扱いやすさから凍結組織を出発材料としたが,非凍結組織を利用するなど,核の健全性をより高めるための核抽出手法の再検討が必要であると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

発達中の果実組織別のトランスクリプトームについてはRNA-Seqを予定通り実施し,解析を進めている.また,スクロース濃度勾配を利用した果実組織からの核単離を行い,DAPI染色および蛍光顕微鏡観察によって解析に必要な量の抽出核が得られることを確認した.さらに,ChIP解析の例などを参考に抽出核の健全性についても十分なレベルにあると判断したが,ATAC-Seqライブラリーの作製およびシーケンシング解析を進めた結果,得られたデータの品質は不十分であった.したがって,核抽出およびATAC-Seq解析については実験条件の再検討が必要である.

今後の研究の推進方策

特に組織発達や機能性成分の蓄積に関与する遺伝子に着目し,RNA-Seqによって得られた果実組織別トランスクリプトームのデータ解析を進める.
これまでに果実組織で実施例のあるChIPを参考とした核抽出手法を利用してATAC-Seq解析を実施した結果,本解析にはより高品質な核が必要である可能性が考えられた.そこで,非凍結組織の利用や核の精製強度を調節するなど,核の健全性を高めるために抽出手法の改良を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] Cornell University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Cornell University

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公開日: 2021-12-27  

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