近年、植物工場や藻類の大量培養など光合成生物の産業利用が急速に進展しているなかで、光合成のモニタリングが重要であり、新規の光合成活性測定装置への期待は高い。本研究は、フォトン検出レベルの高感度光検出器による遅延蛍光の測定を栽培植物に適用し、光合成の生理状態を評価する。温度や光環境の植物の生理的な影響だけでなく、栄養欠乏から、乾燥ストレスの影響を遅延蛍光の減衰曲線の変化で検出でき、スマート農業や精密農業の作物生育管理手段として大きく貢献する。また、モデル植物の遺伝子変異株を用いて生理学的な基盤知見が蓄積され、遅延蛍光減衰曲線の成分が光合成のどの部分を指標としているか評価も可能である。
|