土壌のマトリックポテンシャルを測定するテンシオメーターは優れた測器であるが、pF2.7が実用上の測定限界であり、砂や礫では測定できない弱点があった。模擬植物(根)はこれらの弱点を克服した測器であり、長い歴史を持つテンシオメーターの測定に革新をもたらした。模擬植物(根)の指示値である滲出水量は塩ビ管内の水位低下量に置き換えられ、真空計を読み取るテンシオメーターと同様に、簡単に使える土壌水分計である。テンシオメーターに透明の塩ビ管を取り付け、ポーラスカップの周囲に透水性資材を充填するだけの改良のため、テンシオメーターと同程度の価格で作製でき、生産現場での利用が期待される。
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