令和4年度では、シソ科植物を用いた新規成長改善法(2次代謝成分含有水抽出液・パウダー処理法)及びシソ科植物と菌根菌の併用処理が数種野菜成長(収量性、耐病性・高温ストレス耐性評価含)、植物代謝成分(1次・2次代謝成分)変動に及ぼす影響について検討した。シソ科植物(オレガノ、レモンバーム、大葉)の2次代謝成分含有水抽出液・パウダー処理により、イチゴでは、四季成り・一季成り性品種において成長促進、耐病性、高温障害軽減(ヒートショックプロテインを含むタンパク増大:プロテオーム解析、収量増効果が確認された。この場合、菌根菌併用処理によりそれらの効果が増大する場合もみられた。また、収穫果実成分では、処理による数種遊離アミノ酸(GABAを含)増大が確認された。また、メロンでは、シソ科植物(バジル、レモンバーム、セージ、オレガノ)処理と菌根菌併用により、植物体成長促進、つる割病耐性が各単独処理区より増強される特徴がみられた。一方、シソ科植物処理と菌根菌処理による植物体代謝成分変動については、遊離アミノ酸・2次代謝成分において共通する増大特徴がみられる場合が多かった。また、アスパラガスでは、レモンバームとの混植により、忌地圃場土における成長改善・立枯病耐性向上効果が確認された。これらのことから、シソ科植物を用いた新規成長改善法及び菌根菌の併用による宿主植物代謝成分のプライミング作用が存在し、プライミングによる成長・環境ストレス応答改善がみられることが示唆された。
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