研究課題
植物病原細菌は3型エフェクターを宿主細胞内へ分泌する。一方、植物は自然免疫であるPTI (pattern-triggered immunity)とより強力なETI(effector-triggered immunity)の免疫系を持つ。エフェクターがPTI、ETIを抑制することで細菌は感染を成立させている。ナス科植物等に導管病を引き起こす青枯病菌(Ralstonia solanacearum)OE1-1株は69種類のエフェクターを保持している。本研究は、各エフェクターのPTIおよびETIに対する関与を網羅的に解析し、その機能を明らかにすることを目的とする。我々が構築した50種類のエフェクター遺伝子を欠損させたOE1-1D50Eは、宿主に対する病原性を完全に失っており、エフェクターレス株とみなすことができる。本株をベースに69種類の1エフェクター発現株を構築し、各発現株の宿主植物における増殖能や感染時における抵抗性遺伝子発現を含めた宿主植物の表現型を解析することで目的を達成する。今年度は青枯病菌間で保存されているcore, next coreエフェクターのうち1つが発現する1エフェクター発現株21株について、タバカムタバコとナス植物体内での増殖と、タバカムタバコとナスに接種した際のイオン漏出量について調べた。その結果、タバカムタバコにおいては、増殖を促進する1エフェクター発現株は見られなかった一方、ripA5を発現する株は3日目に増殖が抑制されるHR様の増殖抑制を示した。またナスにおいては、ripMを発現する株が野生株にほぼ匹敵する増殖を示した。タバカムタバコにおいては、高いイオン漏出を示す株は見られなかった一方、ripA5発現株を接種したナスにおいて、イオン漏出の顕著な増加が見られた。
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