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2021 年度 実施状況報告書

害虫選択的な幼若ホルモン拮抗阻害剤の創製と実用化に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K06063
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

古田 賢次郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (00575532)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード幼若ホルモン / アンタゴニスト / 昆虫成育制御剤
研究実績の概要

本研究は昆虫の成育に必須なホルモンである幼若ホルモン(JH)に着目し、その機能を特異的に阻害する農業害虫特異的なJHアンタゴニストを開発することを目的としている。昨年度までの研究で、カイコと同じチョウ目害虫であるシロイチモジヨトウに対して、変態阻害活性を示す新規化合物SF07を見出している。そこで本年では、SF07誘導体の様々な害虫に対する生物活性を検討するとともに、SF07の構造を基にさらなる構造改変を行った。
まず、SF07誘導体を様々な種類の害虫に塗布もしくは摂食による投与を行ったところ、シロイチモジヨトウだけでなく、他のチョウ目昆虫に対してもSF07と同様に変態阻害活性を示した。その際の生物活性はSF07が最も高く、得られた構造活性相関はカイコの時とほぼ同じであった。それに対して、カメムシ目の一部の昆虫では、チョウ目では生物活性を示さなかったSF07誘導体が成育異常や致死活性を示すことが確認されたことから、化学構造によって害虫ごとの選択性が変化することが示唆された。次に、カイコと同じチョウ目かつ、JH受容体が既知のツマジロクサヨトウに着目し、分子シミュレーションソフトMOEによるとのドッキングシミュレーションを行うことで、構造活性相関解析によるSF07の構造最適化を行った。その結果、SF07のリンカー部分の構造を改変することで、カイコに対しては生物活性を全く示さないにもかかわらず、シロイチモジヨトウに対しては生物活性を示す害虫特異的な新規化合物SF28を新たに見出すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに害虫のJH受容体を用いてin silicoにおけるシミュレーションはすでに実施しているが、in vitroにおける化合物とJH受容体の結合親和性を調べるための結合阻害試験の実施が、新型コロナ感染症の拡大に伴う行動制限で遅れている。

今後の研究の推進方策

最優先で等温滴定カロリメトリーによるカイコおよびヨトウガのJH受容体との結合阻害試験系の構築を行う。構築後は、自身の所有するJHアンタゴニストライブラリーもしくは市販の化合物ライブラリーを用いてスクリーニングを行い、害虫に対してのみ生物活性を示すJHアンタゴニストの同定を目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた実験の実施が遅れ、必要な実験器具および試薬の購入がなかったため。当該の実験は次年度に実施するので主に消耗品費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 幼若ホルモンシグナル阻害剤2021

    • 発明者名
      古田賢次郎
    • 権利者名
      古田賢次郎
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-046116

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公開日: 2022-12-28  

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