短命な昆虫の中で30年以上という超長寿命を誇るヤマトシロアリ生殖虫が、いかにしてその長寿命を可能にしているのかを生化学的に明らかにする研究である。生殖虫(女王)とワーカーを比較した結果、女王はミトコンドリアで働く抗酸化物質コエンザイムQ10ならびに膜脂質で抗酸化に重要なビタミンEを大量に含有することがわかった。また、ワーカー体内で抗酸化に働くと考えられる尿酸については、巣内から出されることで体内での生合成のスイッチがオンとなり、糖代謝系ならびに尿酸合成系の遺伝子群を全て活性化させることで大量に合成することが明らかになった。
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