本課題では、トゲアシヒメハナバチの採餌特性と燃料調節について、主に以下の点を明らかにした。1)本種雌はカントウタンポポを主な餌植物としている。2)本種雌は、カントウタンポポを開花直後から訪花し、昼前まで花粉を採集する。3)カントウタンポポは早朝の花蜜分泌量が少なく、本種雌は、早朝の採餌では花からの燃料補給が困難である。4)本種雌は、採餌期間の後半に集めた花蜜を全て花粉団子作成に使うのではなく、一部を蜜胃内に保持している。5)本種雌は、前日に採餌した花蜜を燃料として保持することで、花蜜分泌のほとんどない早朝のカントウタンポポから花粉を採餌することを可能にしている。
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