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2022 年度 実績報告書

北方四島における動物相の継続的モニタリング―エゾシカとヨーロッパミンクに注目して

研究課題

研究課題/領域番号 20K06086
研究機関北海道大学

研究代表者

大舘 智志  北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (60292041)

研究分担者 荒木 仁志  北海道大学, 農学研究院, 教授 (20707129)
河合 久仁子  東海大学, 生物学部, 教授 (60451415)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエゾシカ / ヨーロッパミンク / ヒグマ / コクガン / 環境DNA / 狩猟
研究実績の概要

本年度はウクライナ情勢にからんでロシア連邦政府によりビザなし訪問事業の停止が通達され、北方領土への渡航ができなかった。したがって研究目的にある北方領土の陸生脊椎動物相の継続的モニタリングは、実効支配しているロシアのクリリスク自然保護区事務所(国後島)が通常行っている業務からの情報を得た。また、今年度は研究課題の代表と分担者全員を含む日本側6名とロシア側4名が、オンラインで2022年6月17日に約3時間に渡り、情報交換を行った。日本側は小型哺乳類、コウモリ類、食肉類、狩猟、鳥類、淡水魚類と環境DNA分析、陸生植物の専門家が参加した。ロシア側は自然保護区の所長と副所長を含む自然保護行政一般、陸生植物、鳥類の研究者が参加した。また専門のロシア語通訳を雇いコミュニケーションに遺漏がないように配慮した。オンラインの会議はZOOMを用いて行った。
会議は、日本側はおもに国後島と択捉島の川沼より採取した環境DNAの結果を報告した。それによると各種の淡水魚類のほかは、トガリネズミ類やヒグマ、クロテン、アカギツネや家畜由来のDNAが検出されたが、エゾシカやヨーロッパミンクは検出されなかったこと、などを報告した。ロシア側からは会議の時点で国後島ではエゾシカは確認されなくなったこと、ヨーロッパミンクは継続して確認されていること、などが報告された。この他に、国後島を経由して日本とロシア(シベリア)を渡るコクガンや北方領土における狩猟についてなどの情報交換を行った。
以上のことによりエゾシカは北方領土に定着しなかったことが強く示唆され、北方領土での植生への破壊についてはとりあえずの懸念が回避された。
このほか、令和4年度には、将来の比較のために北方領土と隣接する道東地域での陸生小型哺乳類の捕獲調査を実施した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 2件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] ロシア科学アカデミー動物学研究所/クリリスク自然保護区事務所(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      ロシア科学アカデミー動物学研究所/クリリスク自然保護区事務所
  • [雑誌論文] 国後島におけるチシマクロクモソウユキノシタ科の調査と哺乳類の観察報告2023

    • 著者名/発表者名
      福田知子、 河合久仁子、大舘智志、 LINNIK Elena
    • 雑誌名

      三重大学全学共通教育センター研究紀要

      巻: 8 ページ: 39-45

    • 国際共著
  • [雑誌論文] 特集:ここまでわかった絶滅した日本の狼の起源ーはじめにー2023

    • 著者名/発表者名
      大舘智志
    • 雑誌名

      哺乳類科学

      巻: 63 ページ: 3-4

    • DOI

      10.11238/mammalianscience.63.3

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 冬眠しないトガリネズミの越冬戦略2023

    • 著者名/発表者名
      大舘智志
    • 雑誌名

      低温科学

      巻: 81 ページ: 81-88

    • DOI

      10.14943/lowtemsci.81.81

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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