国内でも水生植物や淡水藻の生育地や形態的特徴に関する情報は少なく,国内外の研究機関に保管されている押葉標本やプレパラート標本も少ないので,本研究で作製された標本は今後,国内外に基礎生物学的知見を提供できるだけでなく,DNAの抽出も可能な貴重な資料となり得る。また,水生植物の光合成測定方法として本研究により確立されつつある2つの方法(発生酸素量の測定とクロロフィル蛍光活性の測定)を併せて用いる手法は,対象植物の真の光合成特性を詳らかにすることができるため,環境変動の影響予測が可能となり,保全対策にも役立つであろう。
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