(1)侵略的外来植物の種特性の解明は多数行われてきたが、現地でどのような選択圧が働き、どのような形質が重要か、といった因果関係まで明瞭に示した研究例は少ない。本研究は砂浜海岸と農耕地に広く生育するドクムギ属を対象に、各生育地への分布拡大に重要な形質および選択圧を明らかにすることを目的とする。 (2)砂浜海岸は現在、生物多様性が失われつつある生態系の1つである。周辺環境の開発による砂浜面積の減少や、砂浜への外来植物の侵入が問題となっている。砂浜海岸へ分布拡大する外来植物の特徴を明らかする本研究は、希少な生態系となりつつある砂浜海岸の保全に貢献するものである。
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