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2023 年度 実績報告書

食糞行動様式に基づく小型哺乳類の腸内細菌叢の違いとディスバイオシスからの回復方法

研究課題

研究課題/領域番号 20K06095
研究機関宮崎大学

研究代表者

篠原 明男  宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 准教授 (50336294)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード食糞 / マイクロバイオーム / ハムスター / ハタネズミ
研究実績の概要

本研究では3つの食糞様式(①糞を肛門から直接に食べる、②落ちている糞を拾い食いする、③食糞をしない)に着目し、その腸内細菌叢の構成による違いと、ディスバイオシスからの回復方法の構築を試みることを目的とした。これまでに3つの食糞様式を行う小型哺乳類をターゲットとした実験を実施してきた。2021年度に①を、2022年度に②を、2023年度に③の腸内細菌叢を明らかにした。また小型哺乳類の毛繕い行動を利用して健康な個体の糞を毛皮に塗ることでディスバイオシスから回復させることが出来ることを示した。一方でこれらの実験課程で、①の糞を肛門から食べるハムスター類が、②の拾い食いもしていることが頻繁に観察されたことから、2023年度はこれまでのデータのとりまとめを行うとともに、改めて食糞行動様式に着目した追加行動学的実験を実施した。
対象動物として、ロシアハタネズミ(Micortus rossiaemeridionalis)を用いた。24時間観察(n=6)を行い、活動量、食糞行動(頻度)、食糞行動(糞数)、拾い食い行動(頻度)および拾い食い行動(糞数)を比較した。その結果、ロシアハタネズミは肛門から直接に糞を食べる行動(雄86.0±8.5回/day、雌69.0±6.5回/day)だけでなく、拾い食い行動(雄26.0±8.6回/day、雌45.7±34.2回/day)も頻繁に行っていることが明らかとなった。ハタネズミ類はウルトラディアン型の生活リズムを示し、明期・暗期に関係なく、拾い食い行動を行っていた。またアルメニアンハムスター、ジャンガリアンハムスターでも同様に頻繁な拾い食い行動が観察された。これらの結果から、①の動物種には毛皮に新鮮糞を塗るよりも、新鮮糞を与えることでより簡便に腸内細菌叢のディスバイオシスからの回復が見込めることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Distinctly different gut microbiota in Japanese badgers and Japanese raccoon dogs despite sharing similar food habits and environments2023

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Chiho、Shinohara Akio、Kikuchi Taisei、Tokuda Asami、Irie Takao、Yamada Kentaro、Misawa Naoaki、Yoshida Ayako
    • 雑誌名

      Mammalian Biology

      巻: 103 ページ: 363~373

    • DOI

      10.1007/s42991-023-00362-7

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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