研究課題/領域番号 |
20K06103
|
研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
山本 誉士 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (70637933)
|
研究分担者 |
河野 裕美 東海大学, 沖縄地域研究センター, 教授 (30439682) [辞退]
村上 智一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 主任研究員 (80420371)
水谷 晃 東海大学, 沖縄地域研究センター, 技術職員 (80773134) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | ウミガメ / データロガー / 時空間動態 / 海草 |
研究実績の概要 |
環境収容力を超えた大型草食動物の個体数増加は、餌となる植物を過度に採食して生態系に多大な影響を及ぼす。近年、西表島の沿岸海域において草食性アオウミガメChelonia mydasの過度な採食により、ウミショウブEnhalus acoroidesをはじめとする海草群落の衰退や消失が問題になっている。そして、海草群落に生息する魚類の種構造変化および個体数減少が報告されている。そこで、当該地域に生息するアオウミガメの時空間分布動態を明らかにし、より効率的かつ効果的に海草群落を保全するため、西表島西部において2021年9月に4個体と2022年9月に4個体のアオウミガメにGPSデータロガー装着して放流した。アオウミガメに装着したデータロガーは、タイマーによって数日~1週間後にウミガメから脱落するように設定し、UHFアンテナを用いて海面を漂っているロガーを探索、合計4個を回収した。これまでの解析の結果、体サイズの比較的小さな個体は湾内にある水深が比較的浅い特定の海草パッチに長時間留まり、大きな個体は外海沿岸域まで移動・滞在するといった行動パターン傾向の違いが明らかになった。アオウミガメの行動計測に加え、現地NPO団体Island Ecosystem Researchと共に、西表島西部海域においてアオウミガメと海草群落のモニタリング調査を実施し、双方の分布データから消失度合いを比較することで、重点的に保全する海域の特定を試みている。さらに、研究と関連して、地元小学生らの調査同行や出前授業を実施することで、本研究課題に関するアウトリーチ活動も精力的におこなった。
|