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2021 年度 実施状況報告書

セイヨウミツバチからみたランドスケープ:養蜂環境の景観生態学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K06118
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

大久保 悟  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, グループ長補佐 (30334329)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードセイヨウミツバチ / 尻振りダンス / リアルタイム解析 / 離散フーリエ変換
研究実績の概要

今年度も当初計画であった周辺土地利用が異なる養蜂場を対象に採餌範囲の把握に変えて、巣箱ごとの採餌範囲の違い、および季節と時間変化を明らかにする調査を行った。研究組織内の実験蜂場において近接する3群を選定し、4月から巣の重量と温湿度の自動計測を始めるとともに、1-2週間間隔で巣内の8の字ダンスを約2週間間隔で朝から夕方までの6時間録画し、季節変化や一日内での採餌活動や範囲の変化を把握した。動画データからミツバチの尻振りダンスを解読して採餌範囲を抽出するが、これまでの解析だと6時間の画像を処理するのに数日間のデータ処理が必要であったため、昨年度に引き続き、新たなアルゴリズムによる自動解読の高速化を試みた。その結果、毎秒120フレームの動画を用いて離散フーリエ変換による尻振りダンス周波数を抽出することで大幅な解析時間の短縮と解析精度の向上を果たすことができた。また、GPU搭載のエッジコンピューターと高速撮影が可能なUSBカメラを用いて、巣箱内を撮影しながら即時に自動解読可能なリアルタイム解析システムを安価なセットで構築することができた。画像のコントラストに応じてダンス抽出の閾値を調整する必要があるが、解析に十分な圧縮動画も自動に記録できるので、閾値を調整した事後解析も可能となり、大幅な技術革新を図ることができた。これについては論文化を急ぐとともに、次年度はリアルタイムの自動解読が可能なシステムを3セット用意して、効果的なデータ収集を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、申請当初の計画にあったように周辺土地利用の異なる複数の蜂群を対象とした調査が実施できていないが、蜂場近辺に季節を通じて様々な花資源を用意し、季節変化や花資源への選好性の違いなどを考慮した調査データを収集することができた。また、本研究の鍵となる尻振りダンスをリアルタイムで即時に解析できるシステム構築につながったことから、データ解析に必要な時間を大幅に削減でき、順調に研究を進められている。

今後の研究の推進方策

引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から移動を制限した方が良いと考え、今年度実施した研究内容を継続して行うこととする。リアルタイム解析システムが用意できたことから、撮影頻度を上げて、周辺の花資源開花状況に伴う採餌範囲の日変化やその間の重量変化などを精査に解析していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響で移動制限を行ったため、旅費の支出がなかったことから次年度への繰り越し分が発生した。次年度も所属する研究機構内での調査を実施するが、ミツバチダンスのリアルタイム自動解読システムが完成したことから、その精度評価のためのデータ整理補助や必要機材の追加を行い、当初の研究目的を効率よく達成するために経費執行を行う計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] セイヨウミツバチを水田における夏季の環境ストレスから守る2022

    • 著者名/発表者名
      大久保悟
    • 雑誌名

      農研機構技報

      巻: 12 ページ: 22-25

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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