研究課題/領域番号 |
20K06123
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松本 武 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40555869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 3Dスキャン / 3Dモデル / 連続振動計測装置 |
研究実績の概要 |
自然条件下にある立木は風を受けると葉や枝がしなり,強風下では枝葉に加えて樹幹全体がしなり反発し振動する。本研究では,Ⅰ)風や強制振動を受けた際の立木を構成する各部および立木全体の振動特性の解明,Ⅱ)立木樹幹の振動特性に及ぼす枝葉の影響の解明を目的としている。 令和2年度は①試験木の選定,②振動変位記録計の開発,③試験木の3Dレーザースキャンとモデル化の3点を実施予定であった。①については本学のFM唐沢山において,道路に隣接した尾根上に生育するコナラ12本を選定し,試験木周辺の灌木等の刈払いおよび整地などにより試験木至近まで軽自動車でアクセス可能とした。③については新型コロナウィルスの感染拡大による出張の制限により,落葉前後での3Dレーザースキャンによる葉量推定については実施できなかったため,令和3年度に実施することとした。完全に落葉後の試験木については3Dレーザースキャンを実施し,モデル化を行った。また,今年は温暖であったため,3月中旬ごろから着用の兆しがあったため,年度末にかけて2回3Dスキャンを実施した。②については,サンプリングレート200Hzの計測装置は比較的初期の内に開発できたが,より高サンプリングレートの測定装置の開発に時間を要したが,最終的には400Hzで3軸の振動加速度を連続2週間以上計測可能な装置を廉価(2500円程度)で開発し,これを大量に用意することで試験木の各部の振動を長期にモニタリングすることが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染拡大による第1回の緊急事態宣言による在宅勤務への変更およびそれに伴う講義の開講開始の遅れと講義のオンライン化のためのコンテンツ作成に時間を要したこと。また,緊急事態宣言解除後に開始した実験・実習科目の授業時間確保のため夏期休業中にもこれら科目を実施したこと。および,新型コロナ感染拡大の影響による学外への出張の長期にわたる制限のため。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は新型コロナの影響で研究全体に遅が出たが,当初予定ではサンプル数や実験回数,モニタリング期間等を多めに予定していたため,これらについては成果に支障の出ない範囲で期間の変更やサンプル数を縮小する等内容を一部変更する。最も時間を要する枝の段階的除去とその後の振動モニタリングについては,一度の枝の除去範囲を当初の想定よりも大きく,枝1本単位とすることで,本質的な現象を今年度中に捉える。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に宿泊を伴う出張を予定していたが,出張先の栃木県で感染拡大の傾向となり,予定を日帰りに変更したため。
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