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2022 年度 研究成果報告書

局所集団内における乾燥応答性遺伝子の遺伝的変異に基づくブナ林の保全方法の開発

研究課題

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研究課題/領域番号 20K06124
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40010:森林科学関連
研究機関三重大学

研究代表者

鳥丸 猛  三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10546427)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードブナ林 / 乾燥ストレス / 一塩基多型 / トランスクリプトーム解析 / 遊離プロリン
研究成果の概要

ヨーロッパブナで報告されている乾燥関連性遺伝子領域のブナへの適用可能性を調査し,同義置換と非同義置換をともなう一塩基多型を検出した.ブナ実生を用いた圃場実験を行い,乾燥ストレスに対して葉に浸透圧調整物質であるプロリンが蓄積されることが明らかになった.さらに,脂質を分解する酵素,糖タンパク質の生合成,リンゴ酸合成酵素活性,アポプラストに関わる遺伝子群が実験区間で有意に発現変動していた.以上から,ブナの乾燥ストレスに対する生理的・分子生物学的応答の一端を解明し,将来の乾燥ストレスへの応答をモニタリングするためのバイオマーカーの構築に貢献する情報を整理することができた.

自由記述の分野

森林生態遺伝学

研究成果の学術的意義や社会的意義

現代はこれまでにない急激な気候変動に曝されており,森林植生の保全対策のアップデートが喫緊の課題である.特に,環境変化に対して樹木が常に脆弱であることを前提にするのではなく,樹木自身に秘められた「環境に柔軟に適応していくことのできる能力」を的確に見極めることで対費用効果の高い保全方法を策定する必要性が生じている.本研究は,ブナに元来備わっている環境適応能力を解明することで,将来の気候環境下で要請される森林の保全技術に科学的根拠を提示できるという学術的意義があり,同時に森林保全を通じて森林のもつ公益的機能を十分に発揮させ,安全な人間社会の構築に資する社会的意義も併せ持つものと考えられる.

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公開日: 2024-01-30  

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