本研究では、高山環境に対する樹木の生理的適応を探るため、北アルプス乗鞍岳の高木限界(標高2,500 m)に生育する、落葉広葉樹2種(Sorbus matsumurana、Betula ermanii)および常緑針葉樹2種(Abies mariesii、Pinus pumila)の光合成および水利用特性について解析した。各樹種の成長期における個葉ガス交換速度および葉と土壌の水ポテンシャルの日変化、Pressure-Volume曲線に基づく葉の水分特性、樹木全体の水利用特性をモニターした。研究対象の4樹種は、高標高環境に適応するために、葉と個体全体の両レベルで種特異的な生理学的特性を示した。
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