研究課題/領域番号 |
20K06149
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
渡邉 学 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (10371147)
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研究分担者 |
KOYAMA CHRISTIAN 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (40704961) [辞退]
島田 政信 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90358721)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 森林伐採 / 人工衛星 / SAR / 地球温暖化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、昼夜天候に関係なく高頻度で観測可能な衛星搭載合成開口レーダ(PALSAR-2)を使い、”日本域で定期的な”伐採監視を行うための手法を明らかにする事にある。2021年までに、時系列SARデータを入力画像とした、畳み込みニューラルネットワークによる森林変化域検出のモデルを開発し、埼玉県と宮城県で検出精度、70-80%、未検出の場所が50%程度を達成した。今年度は、最もシンプルな森林伐採検出手法である、後方散乱係数値差分法との精度比較を行った。その結果、HH偏波で得られた森林伐採検出精度は、4.7%であったが、本手法を適用する事で、精度が89.2%に改善される事が確認された。また、現在の検出手法では、期首と期末で平均後方散乱係数値が2dB以上か-3dB以下の変化があったポリゴンを抜き出している事が、未検出場所が多い原因であることが分かった。この値を小さくすることで、さらなる改善が見込まれると考えられる。さらに、光学センサ(Sentinel-2)にAIを適用することで、2021年春から夏にかけて行われた日本全国の森林伐採の検証データセットを、作成した。その結果、日本の森林伐採域の面積の頻度は、0.25~0.5haが全体の46%を占めている事が明らかになった。本研究の当初の計画では、最低検出サイズ0.8haとしていたが、0.25haに変更した事が正しい選択である事が分かった。現在、宮城県、埼玉県以外の場所のデータについての解析を進めている。また、研究成果の社会還元の一環として、得られた伐採域検証データを、Google map, YouTubeを通して一般公開した(YouTubeチャンネル名:AIを使って宇宙から森林変化みつけちゃいました)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、最低検出サイズ0.8haとしていたが、0.25haで検出精度がでる事が明らかになった点は、当初の計画以上の結果として得られた。その一方で、埼玉県と宮城県以外の場所のデータは入手済であるが、解析はまだできていない。最低検出サイズを0.25haに引き下げた事で、日本でより“実用的”な伐採検出ができるようになった一方、他の地域への展開が遅れていることから、やや遅れているという区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
入手済みのデータを使って、今回AIを使って開発した森林伐採検出モデルの他地域、他季節への展開を進め、結果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ化で検証のための現地調査ができなかったため、アルバイトを雇って光学衛星データを判読する量を増やす事で検証データを作成した。
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