人工林近傍の広葉樹二次林において外生菌根菌群集を調べ、新たに侵入する広葉樹実生に感染可能な菌根菌種を推定した。その結果、異なる菌根タイプの樹種の隣接林分では境界からの距離に応じて菌根菌の種組成が変化するが、樹種混交林分では多様な菌種が確認され、小面積広葉樹二次林においても地上部の林内環境の違いと外生菌根菌群集の変化には傾向が見られた。採取子実体からは177種の菌根菌が検出され、出現種は地形的特徴や林冠構成樹種などにより変化する可能性が示された。本研究で調査した広葉樹二次林では局所的な立地環境の違いにより分布域や胞子散布を行う子実体の出現種が変化する可能性が考えられる。
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