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2021 年度 実施状況報告書

熱帯林における外来種の侵入リスクの定量化と優占林分の機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K06153
研究機関国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

研究代表者

田中 憲蔵  国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (30414486)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードマンギウムアカシア / 外来種 / 侵入 / マレーシア / 熱帯雨林 / フタバガキ
研究実績の概要

マレー半島セランゴール州アエルヒタム森林保護区でかく乱後の二次林の再生過程やかく乱履歴と外来種の侵入についてプロット調査を行った。アエルヒタム森林保護区は1200ヘクタールを有し、もともとの植生は低地フタバガキ林である。周囲はオイルパームプランテーションや住宅地に囲まれており、伐採も過去には受けていたため二次林化した箇所が多い。近年では周辺で山火事によるかく乱も起きている。
半島マレーシアの二次林には、フタバガキなど原生林の樹種はあまり侵入しないが、オオバギ属、ジェルトン、セセンドックなど在来の二次林樹種が定着し優占する場合が多い。しかし、外来のアフリカンチューリップ、アカシア属、セクロピアなど侵略性の高い外来種の侵入も問題になっている。アエルヒタム森林保護区内の二次林で、4年から30年生の林分に20m四方の方形区を設置し、胸高直径5㎝以上の全個体の樹種とサイズを記録した。マレーシアにおける外来種であるマンギウムアカシアに注目したところ、火災後約4年のプロットでは半数程度の個体がマンギウムアカシアに占められ優占していることが分かった。しかし、火災を受けていないプロットでは10年生程度の若い林分でもマンギウムアカシアは見られなかった。また、30年生程度の比較的古い二次林にもマンギウムアカシアは侵入していなかった。これらのことから、半島マレーシアでは外来種のマンギウムアカシアは火災後の若い二次林に侵入しやすく優占する可能性が高いことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍のため海外出張が難しくやや遅れている。

今後の研究の推進方策

現地のカウンターパートを通じて調査やデータの提供を依頼しできるだけ研究を遂行する。また研究期間の延長も視野に入れ研究推進を着実に実施する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため海外出張や現地調査ができなかったため予算の支出ができなかった。今年度は現地調査が可能になれば使用し、研究推進が遅れた場合は研究期間の延長も考える予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] マレーシアプトラ大学(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      マレーシアプトラ大学
  • [国際共同研究] 南洋理工大学(シンガポール)

    • 国名
      シンガポール
    • 外国機関名
      南洋理工大学
  • [雑誌論文] Verification of the accuracy of the recent 50 years of tree growth and long-term change in intrinsic water-use efficiency using xylem Δ14C and δ13C in trees in an aseasonal tropical rainforest2022

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Ichie, Shuichi Igarashi, Ryo Yoshihara, Kanae Takayama, Tanaka Kenzo, Kaoru Niiyama, Nur Hajar Zamah Shari, Fujio Hyodo, and Ichiro Tayasu
    • 雑誌名

      Methods in Ecology and Evolution

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/2041-210X.13823

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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