木質資源由来の多糖類であるヘミセルロースは、セルロースに比べて利用に対する取り組みが遅れている。これは、ヘミセルロースの構造の複雑さや入手の困難さ、知見の少なさが一因と考えられる。身近な森林資源であるアカマツ針葉には食経験があることから、アカマツ針葉より得られるヘミセルロース資源の付加価値利用は、将来的な食品分野を含む広範な展開が期待できる。また、アカマツへの関心を高めることは、生活環境の変化により荒れているアカマツ林への注目を促し、アカマツ林の環境整備促進への一助となり得る。さらに、その他樹木の葉の有効利用への展開が期待できる。
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