現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、日向湖から5つのSupergroupに属し系統が異なる8種類の細菌捕食性原生生物を単離・培養することに成功した。公共のデータベースを対象としてBLASTにより近縁な塩基配列を検索したところ、Amastigomonas sp., Paraphysomonas sp., Cryptophyte sp., Pseudobodo sp.と97%以上の相同性を示す4株と、Bicosoeca sp., Vexillifera sp., Keelungia sp., Bodonidae sp.と、それぞれ94%, 83%, 92%, 96%と低い相同性を示す4株が得られた。これらは、Apusozoa, Stramenopiles, Amoebozoa, Euglenozoa, Cryptophytaの5つのSupergroupに属しており、系統学的に広いグループを網羅した単離培養株を確立したといえる。既知の配列との相同性が低い株は新属新種である可能性が高く、株の増殖生理のみではなく全ゲノム配列を明らかにすることで、新しい系統に属する原生生物として登録できる。また、当初はセルソータを持ちいて環境試料中の原生生物を網羅的に分取する予定であったが、湖水中にはコロニーを形成したり、有機物凝集体に付着するなど、粒子サイズにバラツキが大きく、フローサイトメトリーにより原生生物細胞を区別し、セルソーターにより選別することが困難であることがわかった。そのため、毛細管による細胞分取を実施した。
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