• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

高品質真珠生産へ向けて-挿核前の母貝の免疫抑制が真珠形成に与える影響解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06204
研究機関三重大学

研究代表者

佐野 菜採  三重大学, 生物資源学研究科, 学術研究員 (50636545)

研究分担者 古丸 明  三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10293804)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード真珠養殖 / 仕立て / 外套膜 / アコヤガイ / SOD
研究実績の概要

前年度までのRNA-seqとqPCR による解析の結果,「仕立て」により活性酸素分解酵素であるSODの外套膜での遺伝子発現が影響されることが明らかになった。一方,2019年より全国の真珠養殖場で問題となっている「外套膜委縮症」の成貝で仕立てにより発症しやすくなると言われている。我々はまず,外套膜委縮症における褐変と呼ばれる貝殻内面の色素沈着の形成にはメラニン形成に関連するチロシナーゼ遺伝子や,炎症で生じる活性酸素の分解酵素であるSOD遺伝子の発現量が関連することを明らかにし,さらに,本症の原因ウイルス感染後の外套膜外液と血リンパのSOD活性を経時的に測定した。外套膜外液のSOD活性はウイルス接種6日後まで低下し,その後,急激に上昇し12日後に最高値となった。タンパク濃度は9日後まで低下し15日後に接種前の値に戻った。このように,SOD活性はタンパク濃度の回復より早く上昇しており,ウイルス感染に速やかに反応していると考えられた。血リンパでも類似する動態が見られた。外套膜でのSOD遺伝子の発現は3日後に接種前の約2倍になった後,一旦低下し12日後から再び緩やかに上昇した。以上の結果から,アコヤガイの夏季外套膜萎縮症では,原因ウイルスの感染により外套膜や外套膜外液中で活性酸素が増加しSOD活性が上昇することが,遺伝子発現量に加え酵素活性の動態からも推定された。
先行研究から,仕立てはガレクチンに影響すると考え,仕立ての有無とガレクチンの関係を解析したが,関連が認められなかった。そこで,外套膜の遺伝子発現についてRNA-seqを行ったところ,いくつかの主に免疫関連遺伝子がDEGとなった。qPCRの結果からSODが顕著に変化することが分かった。仕立てにより発症率が上がる感染症とSODの関連を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] アコヤガイ夏季外套膜萎縮症の貝殻症状のEPMA解析と外套膜の遺伝子発現解析2022

    • 著者名/発表者名
      佐野菜採・松山知正・井上誠章
    • 学会等名
      令和4年度日本水産学会秋季大会
  • [学会発表] アコヤガイの夏季外套膜萎縮症原因ウイルスの感染試験における活性酸素分解酵素(SOD)の動態2022

    • 著者名/発表者名
      佐野菜採・松山知正
    • 学会等名
      令和4年度日本水産増殖学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi