沖縄県八重山海域でヒブダイ成魚を収集し、スカファノケファルス属吸虫の被嚢幼虫の出現を海域ごとに調べたところ、西表島南西部や石垣島北東部で寄生率が高く、西表島と石垣島の間の海域で低い傾向があることが分かった。宿主の肝臓重量や肥満度には、寄生による影響は確認できず、性転換への影響も不明であった。過去に収集したタチガミフエフキのデータを用い、スカファノケファルス属と同じ吸虫綱のディディモゾイド属寄生虫が宿主に及ぼす影響を数理モデルを用いて調べたところ、ディディモゾイドの寄生により、宿主個体の死亡率は未寄生個体の約1.5倍に増加すると推定された。
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