成果は海洋の物質循環に大きな影響を与える。海洋への物質の供給は、主に河川を経由すると考えられてきたが、珪藻を経由した新たなルートの存在が明らかになった。また、珪藻は生態系を支える重要な植物プランクトンであり、栄養元素の循環の議論にも影響する。さらに、堆積物中のオパールが珪藻の指標物質であったが、オパール以外のケイ酸塩成分にも珪藻に由来するものがある可能性がある。海洋学、水産学、古海洋学などの学問に貢献する。さらに、陸源物質が溶解することによるアルカリ度の供給は二酸化炭素を保持する重要な過程であるが、その過程に珪藻が関与している可能性が高く、社会的な課題である炭素循環の議論にも影響を与える。
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