研究課題/領域番号 |
20K06235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
神尾 道也 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30578852)
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研究分担者 |
グルッド ロニー 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60814978)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バイオフィルム阻害剤 / 酸素センサー / 海洋天然物化学 / 化学生態学 / 付着阻害 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は海洋生物が体表を清潔に保つために用いるバイオフィルム付着阻害物質を解明し、環境に優しい付着阻害剤の開発に貢献することである。本研究ではまず、既存の薄膜型酸素センサー(オプトード)に改良を加えてバイオフィルム呼吸阻害活性測定装置を確立した。この装置を用いて、アメフラシの皮膚分泌物のバイオフィルム呼吸抑制活性を試験し付着阻害活性を確認した。また、カミクラゲの化学防御機構である皮膚分泌物(直鎖のアルデヒド)に強い呼吸抑制活性を見出した。これらの結果は海洋生物の皮膚分泌物には多くのバイオフィルム阻害活性物質が含まれることを示唆している。
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自由記述の分野 |
水圏生命化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義の一つは2次元的な広がりを持つ海洋性バイオフィルムの呼吸の一斉観測を経時的に行う技術を開発したことである。この技術により、試薬を添加した地点からその遠方までの影響を一つの画面上で確認でき、時系列変化を追跡できるようになった。さらにアメフラシおよびカミクラゲという系統的に遠い生物がどちらもバイオフィルムの生育を抑える物質を分泌して体表を守っていることを示唆し、その物質を同定したことである。これらの成果は船底、発電所の取水口、水中カメラなどの海中の人工物表面を生物付着から守るための基礎知識を提供するため社会的にも意義がある。
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