三倍体ギンブナ(Carassius auratus langsdorfii) は雌性発生にて子孫を残すため,一尾の母親由来の子孫はすべてクローンと考えられる.今回,我々はGFP遺伝子組換えギンブナ(GFP魚)を作製し,真骨魚類の造血・リンパ器官である腎臓からGFP陽性白血球を分離し,野生型ギンブナに移植した.移植180日後に野生型ギンブナの血液白血球を調べたところ,赤血球以外の血球(顆粒球,リンパ球,単球)がGFP陽性血球に置き換わっていた.これらから,GFPギンブナをドナーとして野生型をレシピエントとする移植実験系を用いることにより,造血幹細胞や免疫細胞の機能解析に有用であることを示す.
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