本研究は、都市近郊農業・農村の防災減災機能の強化が地域の災害レジリエンスを向上させるという認識のもと、自然災害に対し脆弱な途上国を対象に、どの様な機能が住民に評価されやすく効果の発現が期待できるか、それが個人属性や自然災害に対する主観的評価とどのような関連性があるかについて検討したものである。分析結果は、各種指標の国間差異は、主に水準の違いに現れやすく、分散の構造には共通性があること、農地の防災減災機能は全般に高く評価されているものの、規定要因や価値評価値との関連性は一様ではなく、特に被災経験や現在受け入れている災害リスクの程度に応じたリスク管理の方法を提示することが重要であることを示した。
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