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2021 年度 実施状況報告書

伝統品種の採種地が農業者および消費者による農産物の評価に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K06265
研究機関山陽学園大学

研究代表者

西村 武司  山陽学園大学, 地域マネジメント学部, 准教授 (80574029)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード地理的表示保護制度 / 伝統野菜 / 栽培方法 / 地域資源
研究実績の概要

地理的表示(GI)保護制度による農産物のブランド化の事例が全国的に散見される。GI保護制度は、伝統的な生産方法や気候、風土、土壌といった生産地の特性が品質などの特性に結びついている農林水産物・食品などの産品の名称を知的財産として登録し、保護する制度である。このため、GI登録の判断にはその産品の伝統性が重視される。2022年3月の時点で、40都道府県の112産品と日本以外2か国の3産品の合計115産品がGI登録されている。本年度は、岡山県倉敷市で伝統的に栽培され、GI登録された産品である連島ごぼうを事例として、GI登録までの経緯と登録による効果、登録後直面している課題について整理した。先行研究では、GI登録の意義は農産物ブランド化の文脈において指摘されており、本事例もその例外ではなかった。しかしながら、GI登録によってブランド化が始まったというよりむしろ生産者らによる長期的なブランド化のプロセスの中のひとつの出来事として、GI登録が位置づけられることがわかった。ただし、生産者らへのインパクトは大きく、GI登録は他のブランド化の手段よりも意義が大きいと生産者らに認識されていた。とくに現実の消費者行動を意識した商品開発と価格設定に目が向けられるようになったことは、GI登録が産地にもたらした効果として注目される。一方、GI登録産品は生産方法が伝統的であることを特徴とし、そのことが希少性の根拠となっているため、時代の変化に応じた栽培方法の変更が認められないことがブランド維持の障壁となりうることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

農業者に関する調査が進んだ一方、消費者調査が未着手であるため。

今後の研究の推進方策

伝統野菜に関する消費者調査を実施するとともに、本研究に関連する文献調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究内容について、当初の計画から変更した生じたため、次年度使用額が発生することとなった。次年度の消費者調査等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 地理的表示保護制度による伝統野菜ブランド化の課題2022

    • 著者名/発表者名
      西村武司
    • 雑誌名

      アグリバイオ

      巻: 6 ページ: 50-53

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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