研究課題/領域番号 |
20K06281
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山本 和博 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70504124)
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研究分担者 |
松下 秀介 京都大学, 農学研究科, 教授 (50355468)
島 義史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, グループ長 (10414781) [辞退]
板橋 衛 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90289645)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 新規参入者 / リタイヤ / 定住 / 特性 / 支援方策 |
研究実績の概要 |
本研究は,新規参入者の受け入れ体制が充実している公社やJA運営型等の 就農研修機関への在籍経験者について,定住した新規参入者,研修や就農をリタイヤした新規参入者別に,1)リタイヤした新規参入者の特性と離農要因、並びに支援内容に対する評価,2)定住 した新規参入者の特性、並びに支援内容に対する評価,3)受け入れ側における人選方法の問題点摘出と審査基準の策定を解明することにある。 本年度は,主に公社運営型の就農研修機関において,研修修了後定住した新規参入者の特性や当該地の選択理由等を明らかにした。前者について,これら新規参入者の特性は,リタイヤした新規参入者に比べて,出身地や男女比率には差がないものの,研修時年齢が34.9歳(リタイヤした新規参入者29.1歳)とやや高いこと,高校卒業割合が27.3%(同52.9%),大学卒業者割合が50.0%(同35.3%)と高学歴であること,研修時の既婚率が45.5%(同17.6%)と高いことを明らかにした。したがって,研修の採用時にはこれらのことに留意する必要があるものと考えられた。 後者の当該地の選択理由は ,収入確保ができる主要な農産物があること,図書館やスーパーマーケット等最低限の生活の利便性が確保されていること,生活面や営農面での新規参入支援が充実していること,両親や祖父母の出身地,本人に過去生活経験があることなど当該地域と何らかのつながりがあることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響により事例調査回数は減少したものの,主に公社運営型での就農研修機関において研修を修了し定住している新規参入者,並びに就農研修機関における指導者への聞き取り調査により,定住した新規参入者の特性や当該地域の選択理由,支援制度に対する評価や就農の阻害要因等を明らかにした。これらのことから,「概ね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり,3年目については,主に公社運営型の研修機関において,リタイヤした新規参入者や定住している新規参入者への聞き取り調査や文献調査により,特に3)受け入れ側における人選方法の問題点摘出と審査基準の策定に取り組む。また,コロナ禍の影響により事例調査回数が減少することが想定されるが,JA運営型や町運営型の研修機関においても同様の調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1点目は,コロナ禍により当初計画していた研修機関への事例調査が十分にできなかった。2点目は,2人の研究分担者の異動により,十分な研究推進の打ち合わせの機会が確保できなかった。これらにより次年度使用額が生じた。
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