研究課題/領域番号 |
20K06285
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
町田 怜子 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90724675)
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研究分担者 |
上岡 洋晴 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30408661)
茂籠 幸代 (池田幸代) 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (40344460)
藤川 智紀 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60361573)
下嶋 聖 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (60439883)
竹内 康 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90271329)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 農福連携 / 運動器疾患の疼痛軽減効果 / AI診断 / ンターロッキングブロック舗装 / 農業技術 |
研究実績の概要 |
農業従事者における運動器疾患の疼痛軽減効果に関して、エビデンス・グレーディングが高いランダム化比較試験だけを収集してのシステマティック・レビューを実施した。その結果、世界で4編の研究論文があり、「参加型での人間工学的アプローチ」と「疾患部位に即した筋力トレーニングを中心とした運動」、及びその併用が有意な効果があることを明らかにした。続いて、障害者をはじめだれもが安心・安全に農業に従事できる農業技術として、二つの調査研究を行った。一つ目は、農作業を委託する団体に聞き取りを行い,トウガラシ(八房)の等級選別でははっきりとした色の基準がなく,作業ができる人が限られるとの情報を得た。これに対しAIによる選別では,58枚の写真から97%を超える適合率が得られ,またカゴの中であれば複数のトウガラシが撮影されている写真であってもトウガラシを認識できることが明らかになり,AIの援用で障がい者の作業範囲が広がる可能性が示された。二つ目の調査研究では、障がい者がとうがらしを収穫する際の心理的影響について調査するため、表情画像ソフトによる解析、聞き取り調査、を実施した。結果、特定の感情値について収穫作業中と収穫後で有意な差がみられた。収穫作業工程のうち、心理的な観点からは、特に大きな負担感を感じる工程は確認されなかった。農福連携を促進する農業基盤技術開発として、東京農業大学世田谷キャンパス内にインターロッキングブロック舗装を施工し,ジオグリッドの有無による荷重分散効果について検討を行った。荷重分散効果の検討では,ジオグリッド補強工区と未補強工区の中央部において,小型FWDを用いてブロック層の弾性係数の変動を評価した。その結果,補強工区の弾性係数は年間を通じて一定値を保っていたが,未補強工区は載荷部分に圧縮沈下が生じ,弾性係数は低下することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により、当初の計画よりも現場での障がい者が体験可能な農作調査が遅れてしまった。現在、農場との受入体制、調整も整い調査を実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
一連の農業活動の農業技術支援やAI画像診断等の技術を活用し、多様や主体がそれぞれの個性に応じで得意とする農業技術・可能となる農業技術を分類し、マッチング支援の基礎データとなるように見える化を行う。さらに、障がい者が安全に持続的に農業に従事できる農作業工程や農具の使用方法を見える化し、多様な主体との情報共有・マッチングによる社会的包括支援を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により、障がい者の農業体験の現地調査が遅れてしまい、次年度に使用額が生じた。
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