日本全国で行われている農業関連分野における大学・地域連携の実態や課題・ニーズ等の把握・検証を目的として、大学・地域連携における主たるステークホルダーである大学や地方自治体(市町村)、農業者、食品事業者、地域住民等の関係者を対象としたアンケート調査やインタビュー調査等を行い、大学・地域連携の実態解明のための情報収集・分析を行った(主たる対象エリア:奈良県、福島県、愛媛県等)。また、これらの情報収集・整理をもとに、取り組み地域/事例の類型化に関する検討を行った。 あわせて、農業関連分野における大学・地域連携の新たな形態として、連携地域の農産物・食品を大学関係者が購入・使用するという活動、中でも、CSA(Community Supported Agriculture:地域支援型農業)の活用に着目し、関西圏の農学部の大学関係者(学生・教員・職員)を対象としたインターネット方式のアンケート調査を実施した。このアンケート調査からは、大学・地域連携の推進方策としてのCSAに対して、ポジティブな評価を行っている傾向が見てとれた。また、ポジティブな評価を行う理由としては、「農学や農業を学ぶことにつながるから」「自分が所属している組織と包括連携協定を締結している地域による取り組みだから」等の選択割合が高くなった。また、関東圏の学生を対象としたアンケート調査においても、大学・地域連携の推進方策としてのCSAに対して、ポジティブな評価を行っている傾向が見てとれた。 さらには、過年度を含む各種の調査結果を元に、農業関連分野の大学・地域連携の取り組み推進に向けた課題・対応方策の特定化、最適化手法の分析・考案を行った。 これらの追加分析の結果をもとに、学会発表を行った。
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