研究課題/領域番号 |
20K06311
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
張 樹槐 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90261429)
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研究分担者 |
叶 旭君 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (10708168)
伊藤 篤史 地方独立行政法人青森県産業技術センター, 農林部門, 主任研究員 (40582333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光センシング / 非破壊品質測定 / スマート農業 / 篤農家の知恵・勘 / 可視化 / 連続測定 / 栽培管理 |
研究実績の概要 |
2021年度は,2020年度に得られた実験対象メロンの主な実験結果の検証及び光合成に関連した呼吸特性の測定及び解析を行った。 地域資源である十和田砂を用いたプランター方式礫耕栽培では,潅水の時間帯を①朝,②夕および③朝・夕を比較したところ,生育中期以降に②夕の時間帯とすることで,果実糖度は高く,かつ果実間のばらつきが少なかった。 メロンの呼吸量測定では,光強度と深く関係していることが確認でき,これらの結果は今後栽培管理にどのように利活用可能かをさらに検討する必要がある。 糖度や質量の連続測定では,昨年度と同様,生育期間において継続的に増加していくことが問題なく確認できると同時に,昼夜において大きく変動している結果も得られた。ただ,昼夜の変動は測定装置の温度特性に由来することも考えられ,得られたデータを詳細に解析したが,原因の究明に至っていない。 施設栽培において,昼夜の温度差が40度以上に達することがそれほど珍しくなく,本研究に限らず温度による測定結果への影響をどのように低減するのかは共通的な課題と考える。次年度は,その解決方法として温度・湿度などの環境データを基に,多変量データ解析などの統計手法も取り入れて,温度などによる影響の低減や補正方法を詳細に検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
考案した質量測定器や改良した糖度測定器による連続測定は,ほぼ予期した結果が得られた。しかし,温度による影響を補正できる実用的な対策について,更なる検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,施設栽培関連研究の共通課題とも言える温度・湿度による測定結果への影響を補正できる方法を深く追求していく予定である。この課題を解決することは,本研究のみならず関連研究への応用も可能で,学術的にも大変重要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響もあり,作業が遅れている実験装置の改良があった。遅れた主要因は使用予定電子部品の入荷遅れや入手困難によるもので,今年度は,改良作業の見直しや代替電子部品の検討などを早期に行い,測定などに影響がないように進めている。
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