高濃度塩水湛水栽培において植物がhydralic liftで水を再配分し根系を健康に保つ現象現象は,砂漠で巨木がオアシスを形成するのと同じ原理であると考えられる.すなわち,本研究で更にメカニズム解明が進んだもみ殻培地を利用した高濃度塩水湛水栽培を応用すれば,わずか20cmほどの厚さの培地で,巨木の深根が行うhydralic liftで成り立つ砂漠のオアシス形成と同様の現象を可能にする新栽培技術は社会的意義が高い. 植物が塩水湛水栽培に順化するメカニズムは,これまでの研究例が少なく新規性が高い.そのメカニズムを解明し,植物の塩ストレス抵抗性の獲得について新たな知見が得られたことは学術的に意義深い.
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