本研究では無酸素環境下で酢酸を酸化分解する酢酸酸化細菌を研究対象として、山形県泥炭堆積物からこれらの微生物を取得することを目的とした。その結果、酢酸酸化細菌の分離には至らなかったものの、同細菌と逆方向の代謝反応を行う炭酸固定細菌(還元的酢酸生成細菌)の分離培養に成功した。分離した当該細菌グループのうちの1株は既存の還元的酢酸生成細菌の16S rRNA遺伝子との相同性が96%であり、新種レベルに相当する新規の菌であることが示唆された。また、酢酸酸化細菌を分離する過程で既存の細菌との16S rRNA遺伝子相同性が88%という新科レベルの細菌の取得にも成功した。
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