研究課題/領域番号 |
20K06351
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
岡澤 宏 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30385504)
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研究分担者 |
林 希一郎 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (80432219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | WEB-GIS / セマンティックモデル / 農業生産性 / 作物成長モデル / UAV画像 / 人工衛星画像 |
研究実績の概要 |
本課題ではWebGIS型セマンティックモデルのプラットフォームであり,スペイン気候変動研究所が開発したk.LABに作物の成長評価が可能であるクロップモデルを組み込み,このGISシステムを活用して任意の場所で作物生育評価が可能なシステムの開発に取り組んでいる。誰でも簡易的に任意の対象地で地域分析ができることをコンセプトとしたプラットフォームであることから,このシステムに本課題で取り組んでいる作物生育の機能を取り入れることで,多くの人に利用してもらうことができる。作物モデルにはFAOが開発したAquaCROPの簡易版を用いている。これまでの研究実績として,AquaCROPによる作物生育評価に必要なCanopy Cover(CC)を推定する手法を開発した。k.LABにはNDVIを解析する機能が組み込まれていることから,NDVIとCanopy Coverとの相関関係を北海道帯広市の試験ほ場で検討し,NDVIからCCに変換できる補正式を提案することができた。これにより,AquaCROPに必要なパラメータの一つであるCCを推定することができ,k.LABにおいて作物生育評価を行うことができるようになる。一方で,補正式を得たのが北海道で対象作物がマメのみであったため,より汎用性のある補正式を検討する必要が生じている。そのため,埼玉県の水田を対象に,コメとムギについても同様の検討を進めている。 上記の結果を踏まえて,k.LABにAquaCROPを組み込むプログラミング作業を行った。一般公開まではまだ行っていないが,開発元であるスペイン側との連携を取り,プログラムのバグ対応や,他の地域でも運用が可能かの検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の目標として,作物成長モデルであるAquaCROPモデルのシステムへの適用を掲げている。北海道限定でマメを対象としたCC-NDVIの算定式を提案できたことから,限定的ではあるが一部成果をシステムに組み込むことができたため,計画通りに順調な成果をあげていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,AquaCROPモデルの主要なパラメータであるCC-NDVIの推定式の作成を埼玉県等で進める。また,作物生育モデルのWeb型GISシステムへの組み込みを進めるとともに,完成に向けたバグの対応,他地域での適用性の可否について検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
Web型GISシステムのプラットフォームを開発しているスペイン国気候変動研究所との打合せのための旅費を計上していた。また,国際会議における発表のための国外旅費も計上していた。しかし,新型コロナウィルスの感染対策のため,国外に行くことができなかったことから次年度の使用額が生じた。コロナ感染予防対策が緩和された次年度に国外旅費として使用する予定である。
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