本研究は近年の改良された産卵鶏の暑熱応答を実験系として、卵生産におけるもっともエネルギーを使用する卵黄の蓄積の効率化を図る基盤的研究である。本研究の成果により、卵生動物である鳥類の卵黄の主要成分であるVLDLyの粒子径調節による新たな脂質取り込み制御機構の存在が明らかとなった。さらには、暑熱環境下では卵胞膜における脂質取り込みが活性化され、産卵を維持する機構が存在することを証明した。さらには、卵黄前駆物質であるVLDLyの粒子径を人為的に変化させることが可能であることを示した。この成果は、鳥類の比較生化学的な特徴を世界で初めて示しただけではなく、将来の卵生産の効率化に寄与するものと期待される。
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