ガラス化保存の新規デバイス開発を目指す対象材料はウシの卵丘卵子複合体とラットの膵島であり、いずれも主役の細胞 (卵子、β細胞) 以外にも多種多様な機能をもつ細胞群から構成され、それらが協同して働くことを特徴とする細胞塊である。これらのガラス化保存に適したデバイスを加工性・吸水性・生体適合性に優れた多孔質のシルクフィブロイン (SF) から作製できた。ウシ卵丘卵子複合体には市販クライオトップにSFシートを多層に巻き付け、ラット膵島にはSFスポンジをディスク上に切り抜き、それらの有用性を実証した。これらの成果は、ヒトの不妊治療や糖尿病の移植医療に関わる研究者・技術者に貢献する、と期待される。
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