本課題では低温保存においても受胎率が低下せず、過大子などの問題が生じにくい無血清の培養及び凍結培地を用いた牛体外受精胚保存法を検討した。耐凍性を高めるIII型不凍タンパク質(AFP III)1.0 ug/mLで1時間前処理し、AFP III 1.0 ug/mLの凍結液で緩慢凍結を行った牛体外受精胚は融解後の生存性に優れ、ストレスタンパク質の発現が有意に抑制されたことから、AFP IIIの添加が体外受精胚の耐凍性を高めることが示唆された。また移植試験結果でも対照区より高い受胎率が得られ、無血清凍結液でのAFP III 1.0 ug/mLの添加は耐凍性を高め受胎率を担保できる可能性が示された。
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