本研究は、詳細不明な原始卵胞の形成過程と維持の分子機構について、周産期の仔体内の生理的変化に注目した4種の原始卵胞増加モデル動物の解析により解明し、その制御技術の開発を目指している。新生仔期の短期間の薬剤投与による原始卵胞プールの上方制御は、成長過程で薬剤毒性評価が可能で、ゲノム編集や発生工学技術を用いないため、産業動物への応用では倫理面や安全性のハードルが低いものと考えられる。また発生工学技術適用外の希少動物種雌の生殖能の改善や、卵子の安定確保が期待できる。生体投与で薬剤スクリーニング後、in vitro卵子形成の培養系でそれを検証し、培養系の高度化に効率的に繋げられる点も有益と考えられる。
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