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2020 年度 実施状況報告書

神経伝達物質を増殖因子とする乳酸菌の宿主ストレス下における有効性とその挙動解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06384
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

遠野 雅徳  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (50547718)

研究分担者 豊田 淳  茨城大学, 農学部, 教授 (00292483)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード乳酸菌 / 宿主ストレス / 腸内細菌叢 / 機能性飼料 / 機能性食品
研究実績の概要

近年、畜産業では抗菌性飼料添加物の低減やアニマルウェルフェアへの配慮が求められ、 人間社会ではストレス問題が叫れている。本研究では、宿主ストレス時に機能を発揮し、ストレス性の神経伝達物質を増殖因子とする乳酸菌の実用化を目指す。ストレス応答による腸内細菌叢悪化等を予防あるいは改善する新発想の機能性飼料・食品の創成に取り組む課題である。
本年度は当該コンセプトを有する乳酸菌のスクリーニングを実施し2種類ほど選抜した。飼料応用に向けて動物素材フリーの最適な培養液条件を追究した。対象家畜によっては、法令等で飼料自体やその製造過程で動物素材の利用が禁止されているケースがあるからである。一般的な市販の培養液中に用いられる動物由来の窒素源等を動物フリー素材に代替することで、高い菌の生産効率を維持したまま大量培養する技術を確立することに成功した。大量培養後にも、高い生菌レベルを維持したまま常温運搬が可能な菌体粉末として、ハンドリングに優れた資材化にも成功した。通常、飼料ペレット化の際には、細菌の生存率を著しく低下させる高温処理プロセスが施される場合がある。この問題を解決すべく、当該乳酸菌を生菌まま飼料ペレットに組み込むべくペレット形成処理の最適条件を検討したことによる成果である。
以上の成果により、ストレス性の神経伝達物質を増殖因子とする乳酸菌数を高レベルで含むペレット飼料を創成した。これにより、想定する現場利用時に、基本飼料に加えて生菌材を給与する等の二度手間を減らし、ワンショットで確実かつ効率的に対象家畜に経口投与可能な飼料が完成した。
本飼料を用いて、モデル動物であるマウスに給与したところ、嗜好性や摂食性に何ら悪影響がないことを確認することができ、飼料中の生菌数の安定性も確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度当初、コロナウイルス問題により、研究実施場所の利用に制限がかかる等、研究計画の大幅な見直しをせざるを得ない状況であった。緊急事態宣言により、実験を開始したが途中で結果取得を諦めなくてはならないような事態も発生し、研究効率が悪化した。所属組織が定めるルールの下で感染症対策に万全を期し、年度後半で次年度に繋がる進捗があったものと考えている。

今後の研究の推進方策

引き続き、コロナウイルス問題への対応に最善を尽くす。感染症の発生件数の情報なども参考にしながら、所属機関において研究ができる時期に主軸の実験を短期集中型で実施するなど優先順位の組み直しを実施している。また、所属機関において研究実施に制限がかかった場合には、臨機応変に外部の分析委託サービスを利用する等の工夫を検討している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症にともなう緊急事態宣言等により、当初予定していた一部の研究の完遂が困難な状況に陥ったため、次年度使用額が生じている。次年度以降の当初の研究計画は維持しつつ、一部のデータ取得を工夫することにより、適切なデータ取得とそれにともなう予算執行を進める予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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