研究課題/領域番号 |
20K06394
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
谷 健二 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (00365420)
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研究分担者 |
砂原 央 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (20836209)
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
山本 直樹 山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨髄細胞 / 肝硬変 / 肝線維症 / マウス / 犬 |
研究実績の概要 |
難治性非代償性肝硬変症に対する根治療法は現在生体肝移植しかなく,ドナー不足,重度な手術侵襲,医療経済面等種々の問題が存在することから,新規肝臓再生治療方法の開発は社会的に急務である。国内外の研究から自己骨髄細胞は持続炎症肝線維化状態に遊走され肝臓修復に働くことが確認されている。 骨髄脂肪細胞周囲細胞(BM-PAC)は今までに培養骨髄細胞を得る過程で破棄されていた細胞成分であるものの,従来の培養骨髄由来間葉系細胞に比べて同等の多分化能を有し増殖能力はむしろ高いことが確認された。また,接着培養細胞の約15-20%でアルデヒド脱水酵素活性が高い高アルデヒド脱水酵素活性骨髄細胞(ALDHhighMSC)が分離され,同細胞群は増殖活性が高いことが明らかにされた。 2022年度は,これら2種類の肝臓修復細胞の特徴と機能解析および効率的な分離培養方法に関する結果を公表準備中である。さらに骨髄細胞の肝線維化修復評価モデル(GFP/CCl4モデル)を用いて,骨髄細胞が持続炎症肝線維化状態に遊走され,肝臓修復に働き,MMP9などを産生して肝機能・生存率・肝線維化を改善させることを明らかにしてきたことから,新規肝臓修復細胞の特定と確立に寄与することが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
偶発的に各種細胞培養が継続できない時期があり,加えて研究分担者および研究協力者の活動性においては少なからずCOVID-19禍の影響が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
肝臓修復細胞の特徴と機能解析および効率的な分離培養方法に関する結果を公表準備中である。と同時に,骨髄細胞の肝線維化修復評価モデル(GFP/CCl4モデル)を用いて,GFP陽性細胞が直接線維化を誘拐させる仕組みとBM-PACとALDHhighMSCがどのように破壊された肝組織を修復しレシピエント肝細胞を増殖させ肝臓修復を行うのかの確認を継続しておこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度から実験実施に遅れが生じ2021年度に未使用額が発生した。2022年度は各種実験計画を加速するためディスポーザブル器具および既成品を使用し時間を節約し,研究計画を遂行する。
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