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2022 年度 実績報告書

短鎖および中鎖脂肪酸による神経炎症の制御

研究課題

研究課題/領域番号 20K06397
研究機関大阪公立大学

研究代表者

森山 光章  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20275283)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード短鎖脂肪酸 / 中鎖脂肪酸 / 中枢炎症 / ミクログリア / アストロサイト
研究実績の概要

脳内に存在するグリア細胞のうち、主に免疫機能を担うミクログリアと中枢神経系の構造維持などに関与するアストロサイトに焦点を当て短鎖/中鎖脂肪酸および脂肪酸関連物質としてリゾリン脂質の中枢炎症性変化に対する効果を検討した。リポポリサッカライド(LPS)誘発神経炎症性変化に対して、酢酸 (C2)、酪酸 (C4)、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)とラウリン酸(C12)はミクログリアの炎症性変化(一酸化窒素(NO)産生、活性酸素種(ROS)産生、MAP キナーゼ活性化および貪食能の亢進)を抑制したが、アストロサイトにおいてはC2のみ抑制性に働き、C4からC12においては逆に炎症性変化を増悪させた。チオアセトアミド誘発肝性脳症モデル(in vivo)を用いてC2の効果を検討したところ、アストロサイトのswelling抑制に基づく脳浮腫を抑制することが確認出来た。
加えてリゾリン脂質の一種であるリゾフォスファチジルイノシトール (LysoPI) とリゾフォスファチジルセリン(LysoPS)の炎症性変化に対する効果もさらに検討した。LysoPI はLPS による炎症性変化(NO産生増加、ROS産生増加、貪食能亢進、炎症性サイトカイン産生の増加)を抑制する一方、LysoPSは逆に増悪させる方向に働くことを明らかにした。
このように、グリア細胞間およびリゾリン脂質で炎症性変化に対する効果が異なることが明らかとなった。どのような機構でこの差が生じるのかは今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Increase in cellular lysophosphatidylserine content exacerbates inflammatory responses in LPS-activated microglia.2022

    • 著者名/発表者名
      Minamihata T, Takano K, Nakamura Y, Seto R, Moriyama M.
    • 雑誌名

      Neurochemical Research

      巻: 47 ページ: 2602-2616

    • DOI

      10.1007/s11064-021-03425-8

    • 査読あり
  • [学会発表] Sphingosine kinase 1 inhibition exacerbates neuronal damage in neuron/glia mixed culture via glial inflammatory responses and decreased amyloid beta uptake by microglia.2022

    • 著者名/発表者名
      Minamihata T, Takano K, Moriyama M.
    • 学会等名
      第65回日本神経化学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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