研究課題/領域番号 |
20K06407
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安居院 高志 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (00212457)
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研究分担者 |
野中 成晃 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (50281853)
森松 正美 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (70241370)
八木 欣平 北海道立衛生研究所, その他部局等, 研究職員 (70414323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エキノコックス / 原頭節 / コンジェニックマウス / 責任遺伝子 |
研究実績の概要 |
本研究は多包虫(エキノコックス)感染に置いて嚢胞内に原頭節を有する感受性の系統(DBA/2 (D2) )と原頭節を有さない抵抗性の系統(C57BL/6 (B6))が存在することから、原頭節の有無を制御している原因を明らかにすることである。昨年度までにB6を遺伝的背景にD2由来の染色体断片に入れ替えた(サブ)コンジェニックマウスを用いてエキノコックス感染実験を行った結果、責任遺伝子の存在領域を3.3 cMまで狭めることができた。この範囲内には55個の遺伝子が存在していた。候補領域内の全遺伝子55個について別の研究で作成されたRNAseqのデータを参照しSNPの有無を確認すると、34個の遺伝子においてB6とD2との間でSNPが存在していた。この34個についてEnsemblデータベースを利用しアミノ酸置換を伴っているかを確認したところ21個の遺伝子でアミノ酸置換が確認できた。D2-B6間で翻訳領域にアミノ酸置換が見られる遺伝子は10個であった。従ってこの10個の遺伝子の中に責任遺伝子が存在する可能性が示唆された。これら10個についてB6、D2、BALB/c、AKRの4つのマウス系統でSNPを比較した。その結果ある遺伝子にのみD2特異的なSNPが確認された。この遺伝子はある酵素をコードするものであった。そこでこの遺伝子をB6及びD2マウスより単離し、これを発現ベクターに組み込み、それを線維芽細胞株にトランスフェクトしその酵素活性の違いを検討した。しかし、酵素活性の測定方法の確立に時間を要し未だ結論を得ない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により実験を実施する時間が制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度中に絞り込まれた1つの遺伝子について解析を進め、責任遺伝子であることの証明を行う。また、(サブ)コンジェニックマウスを用いた感染実験において、存在領域を狭めるに従い原頭節の有る無しの特徴は維持されるものの、原頭節の成熟度が遅れる傾向にあることが示唆された。そこでこのことをはっきりさせるため、3系統の責任遺伝子存在領域が異なる(サブ)コンジェニックマウスに同時にエキノコックスを感染させる実験を施行し、このことをはっきりさせる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染の拡大により実験の実施が制限されたため。
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