• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

腎糸球体ろ過スリット膜を形成するポドサイトの細胞間シグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06420
研究機関岡山理科大学

研究代表者

西木 禎一  岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (70423340)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード開口放出 / グルタミン酸 / シナプス関連タンパク質
研究実績の概要

腎糸球体のろ過スリットを形成するポドサイトの細胞間におけるグルタミン酸シグナル伝達機構のメカニズムを明らかにするために、ドック2Bに着目して解析を続けた。神経細胞からのグルタミン酸の開口放出には、スネアとよばれる膜融合タンパク質複合体の働きが必須である。このタンパク質複合体は、小胞膜の細胞質側に存在しvスネアと称されるシナプトブレビンと、シナプス前膜の細胞質側に存在しtスネアと称されるシンタキシンならびにスナップ25から構成される。神経細胞においてドック2Bはシンタキシンを介してスネア複合体に結合し、その膜融合機能を制御すると考えられている。しかし、腎糸球体足細胞におけるドック2Bおよびスネアの発現は不明である。足細胞をSDS電気泳動で分離後、ドック2Bに対する精製ウサギIgGを使いイムノブロッティングを行ってドック2Bの発現を調べた。同IgGは脳神経系に発現しているドック2Bと同様の位置に泳動される足細胞中のタンパク質と反応した。この結果は、神経細胞に加え腎糸球体足細胞にもドック2Bが発現していることを示す。スネアの検出には、各スネアのうち神経系に特異的に発現するとされているアイソフォーム、すなわちシンタキシン1Aと1Bを認識するモノクローナル抗体、スナップ25のアイソフォームAとBを認識する抗ペプチドポリクローナル抗体、シナプトブレビン2に対する抗ペプチドポリクローナル抗体を用いた。その結果、3種類のスネアすべてが脳に発現している分子と同様の位置に検出された。これら神経伝達物質の放出に関与するスネアはすべて、分化処理により足細胞での発現量が増加した。一方で、ドック2Bと同じくカルシウムイオンと結合するC2ドメインを分子内に2個もち神経伝達物質放出のカルシウムセンサーと考えられているシナプトタグミン1は検出されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、管理運営業務、学生支援、教育活動に関する負担が増大し、研究活動に割くことのできるエフォートが十分に確保できなかった。また、複数回におよび在宅勤務を余儀なくされ、その期間、文献にもとづく情報収集などに活動内容を切り替えざるを得なかった。このような理由で、研究活動に遅滞が生じた。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症が終息する見通しは立たず、感染拡大状況が今後どのように推移するかは不透明だが、研究活動の進捗の遅れを取り戻すよう努める。

次年度使用額が生じた理由

研究を実施する上で必要に応じ研究費を執行したが、当初予定していた計画の遂行が遅滞したため、当該年度の研究費に未使用額が生じた。未使用額は次年度と合わせ研究計画の推進に充てる。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi