本研究では、ミニチュア・ダックスフンド(MD)という特定の犬種に好発する炎症性腸疾患である炎症性結直腸ポリープ(ICRP)を対象とし、全エクソームシーケンス解析を用いて原因遺伝子の特定を試みた。解析の結果、MDに特異的なアミノ酸置換を伴う一塩基多型(SNP)が、プラスミノーゲンをコードするPLG遺伝子で特定された。上記のMDに特異的なPLG遺伝子のSNPによる影響を解析したところ、腸炎病変局所においてプラスミノーゲンの分解が促進されていた。また、腸炎病変におけるプラスミノーゲンの分解は、IL-6を介したマトリクスメタロプロテアーゼ-9の活性化によって生じていることが明らかになった。
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