研究課題/領域番号 |
20K06434
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
宇野 泰広 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (90372276)
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研究分担者 |
山崎 浩史 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (30191274)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 薬物代謝酵素 / 獣医動物種 / ゲノム / 遺伝子 / 次世代シーケンサー |
研究実績の概要 |
ヒトには数多くの薬物代謝酵素が存在し、酵素機能や発現の違いが薬効・毒性の性差、年齢差、個体差や人種差、さらに病態における薬物代謝の変化をもたらす要因となることが知られている。一方、多くの動物種では主要な酵素の同定すら不十分な状況であり、薬物代謝の研究が進んでいないため、本研究では主要な薬物代謝酵素を同定し、発現や機能の解析を進めている。本年度は、これまでに同定した主要な薬物代謝酵素のうち、イヌやブタ、ネコ、ツパイのチトクロムP450(CYP)やUDPグルクロン酸転移酵素(UGT)、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)、グルタチオン S-転移酵素(GST)、N-アセチル化転移酵素(NAT)、硫酸転移酵素(SULT)について、配列解析および遺伝子・ゲノム構造の解析を行い、定量PCR法による発現の組織特異性を調べた。また、タンパク発現を行い、一部の酵素については得られたリコンビナントタンパクを用いて、対応するヒト酵素の典型的な基質に対する代謝機能を解析した。その結果、多くの酵素がヒトに高い配列相同性を示し、よく似た遺伝子・ゲノム構造、組織での発現、代謝機能を有しているものの、組織発現と代謝機能については一部違いも明らかになった。とくに、ヒトで重要な薬物代謝酵素であるCYP3A4に相同性の高い酵素を新規にイヌで同定することに成功し、この酵素がヒトCYP3A4の基質を代謝していることから、イヌで重要な酵素であることが明らかになった。これらの成果は、2021年度の日本薬物動態学会および日本薬学会で発表し、2報の原著論文として投稿済みである。これらの解析を継続して進めることにより、主な動物種において主要な薬物代謝酵素とその機能を明らかにすることにより、これらの動物種で薬物代謝研究の基盤を構築できるものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度で主要な動物種であるイヌ、ブタ、ネコ等の肝臓で高発現している薬物代謝酵素遺伝子が同定されたが、その解析が順調に進み、一部、学会発表や、原著論文としての投稿まで行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
既に同定した主要な薬物代謝酵素のうち、未解析のものについては、cDNAクローニング、遺伝子発現解析、タンパク質の発現および機能解析を進める。機能解析中のものについては、このまま解析を継続し、随時、学会や論文での発表を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
<理由>外注した大規模遺伝子発現解析の終了が次年度にずれこんだため。
<使用計画>次年度初旬には解析が完了するため、今年度予算の執行がすべて完了する。
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