これまで精子幹細胞の自己複製におけるROSの役割については我々のグループが最先端の研究成果を報告してきた。他の研究グループではROSについての研究はなされていない。自己複製における低酸素の役割については血液幹細胞やES細胞などでは報告されているものの、通常は低酸素が幹細胞の増殖を刺激する方向で働くのに対して、GS細胞は増殖の低下が起こる。恐らく酸素に対する反応性が精子幹細胞では異なっていることが予想される。その意味で、今回の低酸素のGS細胞のROS発生や自己複製分裂に対する影響の解析は他の幹細胞との比較の上でも、これまでの研究を取りまとめる意味でも重要なステップであり、ユニークなものである。
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