哺乳類の冬眠は、冬眠哺乳動物に特異的な遺伝子やタンパク質が発見されていないことから、哺乳類に共通の遺伝子の発現や機能などを冬眠用に再調整することにより発動が制御されていると考えられている。本研究では、冬眠期の遺伝子発現は、深冬眠-中途覚醒の体温変動を利用して非冬眠期の概日性の遺伝子発現制御機構を再調整することで制御されているというモデルを検証し、肝臓が低温で健全な状態を保つ分子機構の解明を目指してきた。成果は、リファレンスデータが無いシマリスにおいて RNA-seq 解析のデータ解析環境を構築できたことであり、特徴的な遺伝子群の同定には至らなかったが、今後の研究に活用できる重要な基盤ができた。
|