全世界のカップルの約15%が不妊症であり、その原因の解明は国内外を問わず重要な医学的課題である。遺伝子欠損マウスは不妊症研究の良いモデル動物ではあるが、これまで精巣が主な発現部位である遺伝子を欠損させた場合でもマウスが不妊症を発症しないケースが多く報告されている。一方、我々が樹立したImportin-α4KOマウスは精子の顕著な構造異常を示すなど不妊症研究に最適なモデルであり、本研究ではこのマウスを用いて雄性不妊症発症機序の一端を解明した。本研究の成果は、Importin-α4が精子細胞形成において重要な分子であることを示したものであり、学術的にも社会的にも意義ある研究といえる。
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